[非歯原性歯痛]痛みの原因と他に行くべき病院

私たちが歯科で仕事をしていて、歯には悪いところがみられないのに、痛みを訴える患者さんがたまにいます。


原因不明の痛みなので、むやみに削ったり抜くことはできません。


数日前にも、痛みの場所が特定できない人が来院されました。


「様子をみましょう。」と言ったのですが、患者さんにはその痛みがかなりの苦痛だったようで、怒って帰ってしまいました。



その後、「むし歯じゃないのに歯が痛い」と調べると、「非歯原性歯痛」という言葉が出てきました。

読んで字のごとく、歯が原因ではない歯の痛みということです。



日本口腔顔面痛学会から出ている非歯原性歯痛のガイドライン改訂版とホームページを読んで、私たち歯科衛生士でも、患者さんでも分かりやすいようにいくつかまとめました。



この記事では、目次に主訴や症状別に分け、その特徴を簡単にまとめています。


歯科以外に相談に行ってほしい病院も書きました。


非歯原性歯痛かも?と思った時に目次だけ見て調べやすいようにしています。


怪しい場合、日本口腔顔面痛学会のホームページをご覧ください。



歯医者に行っても治らない。

痛みが引かない。

原因がわからないと言われた。

患者さんの痛みの理由を知りたい。

そんな方にみていただきたい内容です。

治療したのに痛い。神経を抜いたり、抜歯をした後、数ヶ月痛みが続いている

外傷性神経障害性疼痛

  • 神経を抜く、親知らずの抜歯、インプラントの手術の後、いつまでも痛みが長引く。
  • 歯や歯茎を触っても「ピリピリ・ビリビリ・ジンジン」痛い
  • 顔面や口腔内の一部を触っただけでも歯の痛みを感じる
  • 顎や歯にある神経を傷つけることで起こる
  • 整形外科・ペインクリニック・かかりつけの医師にも相談

数日から数週間前から、軽度の鈍い痛み。どの歯かわからない。

筋・筋膜性歯痛

  • 上下臼歯部に多い
  • 筋肉の疲労から発現する
  • 硬いものや繊維質のものを控える
  • ガムを噛まないようにする
  • 上下臼歯部を接触させないようにする(口を開ける練習)
  • 痛みのある部位のマッサージも有効

目の奥の痛みと頭痛。歯の激痛。顔面痛。

群発頭痛や片頭痛

  • 頭痛と同時に歯の痛みを伴う
  • [ 顔面片頭痛が原因の場合 ] 吐き気や嘔吐、体を動かすと痛みが悪化
  • [ 群発頭痛・TACs(タックス:三叉神経・自律神経性頭痛) が原因の場合 ] 一日に数回、急な歯の激痛。片側の歯や顔面に生じる。痛い方に、涙や鼻水が出る
  • 目の奥に刺すような痛み(15分から180分)
  • 上顎大臼歯の痛みと錯覚
  • 頭痛専門医は脳神経内科医,脳神経外科医に多く,特に「頭痛外来」のあるところが良い

突然ズキズキとした痛みが出て、日に日に痛みが強くなる(歯が痛くて眠れない)

帯状疱疹性歯痛

  • 急な奥歯の激痛
  • どの歯が痛いか分かる
  • 数日かけて痛みが強くなってくる
  • 周囲の歯肉や顔面の皮膚に、赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状に出る
  • 刺すような焼けるような痛み
  • 発熱やリンパが腫れる
  • 整形外科・ペインクリニック・かかりつけの医師に相談

痛みでうずくまるほどの数秒から数分の激しい歯の痛み。電撃痛(ビリっとした痛み)

顔面・口腔内の場合→三叉神経痛

咽頭や耳のあたり→舌咽神経痛

  • 突然、数秒から数分のビリッとした電撃痛のような痛み
  • 食事,飲水,会話,歯磨き,髭剃りなどで痛みが生じる
  • 片側性
  • 原因が脳腫瘍や多発性硬化症による原因もあり
  • 脳神経外科やペインクリニックで相談

蓄膿・風邪を引いてから上の奥歯がずっと痛い

上顎洞疾患

  • 鼻が詰まったり悪い状態に起こる
  • 過去に上顎洞根治手術を受けたことがある
  • 耳鼻咽喉科で治療

歩いたり運動すると、下顎に痛み。痛みは10分ぐらいで消える。両側性。

心臓疾患

  • 狭心症や心筋梗塞
  • 顔面の痛みと歯の痛みも
  • 胸の不快感や痛みと同時に強い歯の痛み
  • 圧迫痛や灼熱痛(やけつくような痛み)
  • 運動時、食事、興奮時に痛みが出て、安静にするとマシになる
  • 循環器科か内科で相談

起きている間に歯の痛み。食事中は痛みが気にならない。

特発性歯痛

  • 明らかな原因が見つからない
  • いくら治療をしても良くならない
  • 抜歯をしても痛みが続き、むしろ悪化することもあるので、不要な治療は禁止
  • 痛みの表現として「じんじん、じわじわ」と起きている間、波のない痛みが続く
  • ペインクリニックか精神科に相談

その他

精神疾患または心理社会的要因による歯痛

悪性腫瘍

血管炎

統合失調症の向精神薬(ハロペリドール,リスペリドン)の副作用

悪性腫瘍の化学療法

まとめ

非歯原性歯痛を疑う前に考えたいこと

関連痛(歯痛錯誤)

患者さんの主訴と違う場所に痛みが出る関連痛も疑います。

主訴となる歯の上下・近遠心は注意して観察が必要です。

歯牙の亀裂や破折

口腔内を観察すると、亀裂が入っている歯もよく見かけます。

そこから感染を起こして歯髄炎を発症することもあります。

生活歯でも、高齢者で破折したり欠けたりする人は多いので、それも注意が必要かと思います。




今回、少し難しい内容でしたが、頭の片隅に入れておくだけでもふとした時に役に立つのではないでしょうか。


さらに詳しい内容は、日本口腔顔面痛学会のホームページをご覧ください。

歯医者に行っても痛みが治らない方へ。

歯科医院で何度治療しても痛みが引かない。

セカンドオピニオンでも症状が改善されない。


上記のような症状がある場合、どの病院に行けばいいか分からない場合は「日本口腔顔面痛学会」の専門医や認定医に診てもらうのもお勧めします。

この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。



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