高齢迷惑患者と時をかけるばーちゃん

これは私の歯科衛生士日記です

この話に出てくる登場人物名や歯科医院名はフィクションです。
ブラックジョークが多めなことにあらかじめ謝っておきます。

私はかわいい歯科衛生士かすみ。32歳。子持ち。



大阪にある「うちの歯科医院」で働いている。



うちの歯科医院は、院長と小児歯科の先生、そして受付のオハギさんとの4人という極小歯医者。



いわゆる町の歯医者さんだ。



私が勤務している歯医者は、患者さんの割合が後期高齢者60%以上だと思う。(自分の感覚)

後期高齢者とは

75歳以上の高齢者のこと(寝たきりなど一定の障害がある場合は65歳以上をさす)




アポイント帳(予約表)をみてもいつも高齢者で埋まっている。



そんな高齢者が多い職場ではハプニングも多い。


今日も今日とて、クセの強い患者さんばかりだった。

口を開けるのが命がけのじいさん

高齢者は長い時間くちを開けるのが辛い。


口を閉じる筋肉や噛む筋肉は、普段から筋トレのように使っているけど、開ける筋肉が衰えているのだと思う。

このじいさんは、

「口をあけてください。」というと、

チェアが倒れた寝たままの状態で、全身をぶるぶる震わせ、手をグーパーグーパー。(水泳するんか。)


そのまま、軽く口をぱくぱくストレッチしてから、

「アゴ外れるで!!!!」と言いたくなるような大きさで口を開ける。

当然、そんな無理した状態で治療を受けているので、うがいのたびに「ゼーゼー・・・」言ってる。
(死ぬで。)

この前、そんな口あけんでいいですよ。って伝えてんけどな。


やっぱり昔からそれでやってきたから、なかなか習慣が抜けきらないんだろう。


「疲れましたね??」と聞くと、「ええ!」と返答された。


無理せんでええんやで。

診療中喋り続ける患者さんとわたし

毎月メンテナンスと呼ばれる歯の掃除に来る患者さんも、うちの歯科医院には多い。


特に高齢者になると、目は見えない。手の力もなくなり歯磨きが上手くできない。歯周病が進んでいる。と、

トラブルが出やすい。


だから歯周治療を最後までやり切った患者さんは、毎月歯医者にきてもらって私たちが歯垢や歯石をとる。



このメンテナンス。

ほぼ私がするのだが、患者さんによっては歯磨きがめちゃくちゃ上手で汚れてない時もある。


そして、ここは関西。

私含め、おしゃべりおばちゃんが多い土地。


診療時間の大半をしゃべりに使う人もいる。


特に私は、患者さんとコミュニケーションを取ることを意識しているので、余計にしゃべる。


この時間が1番たのしい!!笑

私が仕事で会話を大事にするようになった理由



ちなみに、めちゃくちゃ歯垢と歯石がついている患者さんには一切声はかけません。笑


「つけすぎだよーーーーーー!!!30分じゃ足りねえわ!!!!」って思いながら、必死に汚れを取っています。

迷惑患者!迷走するババア

「歯が割れてるから抜かないといけません。」


それを1年前に院長が言っていた。カルテにも書いていた。

レントゲンを見ても真っ二つ。

抜歯適用の症例だ。


その時、ババアは「抜きたくない」と言った。

「じゃあ、やることないのでおわり!」と終わったはずだった。

終わったはずだったのに。

予約を当日に取れないと怒る

2日前。

患者さんの治療が早く終わり、少し間があいてたので、オハギさんと喋っていた。

すると重い扉を開けて入ってきたのは、1年前に「抜きたくない」と言ったババア。


私たちはクセの強い患者を下の名前で呼ぶ。

「まる子や!!まる子が来たぞ!!」とざわつく私たち。




ここで、うちの歯科の現在のスタメン紹介。


院長→クセあり。

私→クセあり。

受付のオハギさんだけが唯一まともで温厚である。

この優しくて可愛い歯医者の顔と言ってもいい彼女が対応にあたる。

オハギさん
オハギさん

今日はどうされましたー??

まる子
まる子

あのね、歯が虫歯だと思うんです。診てもらえません??

オハギさん
オハギさん

お痛みはありますか??

まる子
まる子

神経がない歯なので痛みはありません。

うちの歯科医院は患者さんに痛みや緊急性がなければ、予約の空いてる日に予約を取ります。

オハギさん
オハギさん

じゃあ、今日は予約が埋まっているので、明後日の12時半でもいいですか??

まる子
まる子

え??
いいんですか?って言うけど、その時間しかないんでしょ!!
今日は見てもらえないんでしょ?

オハギさん
オハギさん

はい・・・。
(なんであたしがそんなこと言われないといけないの。)



予約を取って、出て行ったまる子。


その様子を終始見ていた私。


「まる子キレてるやん。」と言うと、「なんかめっちゃ腹立ってきた!!」とオハギさんもご立腹。


受付も大変なんです。


その数時間後、再来したまる子を見たオハギさん。



「こんならぁッッ!!」とカルテを叩きつけていたので、私が代わりに対応することにした。笑

受付で長く喋られると迷惑

美人歯科衛生士
美人歯科衛生士

どうしました?

まる子
まる子

これ。(医療券を渡す)

医療券

医療券とは生活保護の方が医療を受けるために病院や診療所に出すもの。
保険証のようなもの。

美人歯科衛生士
美人歯科衛生士

ありがとうございます!じゃ、金曜日に!!

まる子
まる子

あのね・・・、歯が虫歯だと思うんですけどね。
いつも行ってた歯医者さんに診てもらっても、虫歯じゃない!
って言われたんです。

美人歯科衛生士
美人歯科衛生士

はい。

まる子
まる子

で、その先生が体調壊して入院するんですよ。
しかも、私に「もう来るな!他の歯医者いけー!!!」って
言うんです。

美人歯科衛生士
美人歯科衛生士

そうなんですね。笑
(あんたの対応に疲れて入院するんちゃうか)

まる子
まる子

「いけーーーー!!」なんて・・・。
先生あたまおかしくなったんかな。と思って
こちらによせてもらうことにしました。


こんなやりとりを15分以上して、やっと帰った。


自分のことを棚に上げて、先生を頭おかしいゆな!!!


スタッフは少ない時もあるので、長くしゃべられると困る。

先生の治療方針が納得できないのなら初めから来るな

患者さんにいくら説明しても、レントゲンで分かりやすく見せても、同意が得られない場合がある。

その場合は、こちらは何も処置することはできない

金曜日。

まる子が来た。

診てみると、「むし歯かもしれない!」と騒いでいた歯は、1年前に抜かないといけないと説明した歯だった。

その歯を抜歯することが嫌で、他院に行ったそうだが、その歯医者でも「もうくるな!」と言われる始末。

結局行き場所を無くして出戻りしたようだ。



院長が「こちらでは、抜くしかありません。」と伝えると、

「えーーーー。ちょっと考えます。」と言ってそのまま帰って行った。


5分で診療終了。笑

なんやねん!!!


「帰れ帰れ!!!」と急いで鍵を閉めて、お昼休憩に入った私たち。


問題のある患者にはそれ相当の対応をするのが、ここの医院の暗黙のルール。(たぶん)

予約日時が分からない。時をかけるばーちゃん

夕方。

誰もいないのに重いドアが半開き。

ガタガタという音。

心霊現象ではない。


筋力のないお年寄りは、だいたい歯医者の入り口のドアで挟まっている。



今日もひとり、ばーちゃんが挟まっていた。


そのばーちゃんは2週間前に予約を取っていたのだが、連絡がなかったので死んだのかと心配していた。



話を聞くと、「今日予約を取っていたから来院した」のだと言う。

「いやいや。本当は2週間前なんですよ。」と、何度説明してもばーちゃんは理解できなかったようだ。



オハギさんは「おばあちゃんに時空の歪みがあるわ。」と言っていた。



私は2週間ほど仮死状態だったんじゃないかと考える。



とりあえず、時をかけてきたことに間違いはなさそうだ。


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